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配線器具Q&A

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Q.001 たこ足配線は、なぜ危険なの?
Q.002 電気器具のコードを束ねて使ったらいけないのはなぜ?
Q.003 テーブルタップが熱くなるときは大丈夫?
Q.004 スイッチを入り・切りする時や、コンセントからプラグを抜く際に火花が出るのはなぜ?
Q.005 トラッキングって何?
Q.006 配線器具等に表示されている「125V」はどの様にして決められたの? 「100V」でないのはなぜ?
Q.007 配線器具の劣化診断資料は、どのように入手すれば良いの?
Q.008 引掛けシーリングの耐荷重は何Kgまで?
Q.009 ローゼットという名前はどこから来ているの?
Q.010 防水と防滴はどう違うの?




Q.001 たこ足配線は、なぜ危険なの?
A.001 先ず、たこ足配線の定義を説明します。
たこ足配線とは、同じコンセントからテーブルタップや栓刃式マルチタップ(三角タップ、コーナータップなどの商品名)を複数使用する形態を意味します。
1つのコンセントに1つの三角タップを付けている場合は、たこ足配線と呼びません。
三角タップの上にさらに三角タップを付けている場合は、たこ足配線です。

テーブルタップにもコンセント口数の多い製品がありますが、その全てのコンセント口に電源プラグを挿入して使用している場合でも、たこ足配線と呼びません。
テーブルタップのコンセント口にさらに、三角タップを付けている場合は、たこ足配線です。
テーブルタップを2つ連結している場合もたこ足配線です。

たこ足配線が危険な理由にはいくつかあります。

その1:過電流
コンセントの定格は一般に15Aですが、タコ足配線をすると、使用している負荷機器の合計の使用電流が判りにくくなり、15Aを超えて使用してしまう危険性が増します。
また、テーブルタップや栓刃式マルチタップ(三角タップ、コーナータップなどの商品名)は15Aでなく、12Aや10Aなど容量の小さな製品も存在します。 タコ足配線にするとテーブルタップや栓刃式マルチタップの容量の小さな製品を組み合わせていた場合、定格を超えていることに気が付きにくくなり過電流(定格を超えて使用する)で使用してしまう可能性が増します。
過電流で使用すると、発熱量は流れる電気の2乗で発生するため、コードや、プラグ、タップ、コンセントの絶縁物が熱くなり、樹脂の耐熱温度を超え、焼損、発火にいたることがあり危険です。

その2:電気接続部の増加
タコ足配線をすると、1つのコンセント口に、栓刃式マルチタップを介して多くのプラグが差し込まれ、コード自重などにより、コンセント口に差し込まれた栓刃式マルチタップの栓刃は、少し抜けかかった状態になり易いです。そのような状態の電気接続部が増えるため、危険性が増します。 
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Q.002 電気器具のコードを束ねて使ったらいけないのはなぜ?
A.002 器具の定格電流以内で電気を使用してもコードは多少熱くなります。それを束ねると放熱が悪くなり熱が溜まります。やがて、コードの絶縁物が溶解しコード内部の電気が通っている二本の心線が触れ、短絡(ショート)し、大きな熱を発し、火災の原因になります。
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Q.003 テーブルタップが熱くなるときは大丈夫?
A.003 熱くなる度合いによります。
テーブルタップの定格(表示)電流一杯で使用されている状態では、テーブルタップを握ると「ほんのり暖かくなる程度」なら問題は有りませんが、手で触った瞬間、一部の場所だけが熱い!と感じるようなものはプラグ刃受けばねの接触不良、コードと刃受けばねをつないでいる端子部分の緩み、タップのコード出口部の、コード内断線などが考えられます。
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Q.004 スイッチを入り・切りする時や、コンセントからプラグを抜く際に火花が出るのはなぜ?
A.004 電気が流れているところには電圧がかかっています。電圧がかかっている箇所を離したり接触させたりするとその離れる瞬間及び接触する瞬間、火花が出ます。スイッチの接触部には電圧がかかっておりますので接触部が離れたり、接触したりした瞬間に火花が出るのです。
同じように、火花はコンセントからプラグを抜く時、或いは差し込む時も出ます。
スイッチからあまり大きな火花が出る場合は接触部が磨耗していたり、内部のばねが弱っている場合があります。
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Q.005 トラッキングって何?
A.005 絶縁物(電気を通さない物質)で隔てられた、電圧の架っている金属部間(導電部間)に埃がたまったり、湿気を帯びたりすると絶縁が悪くなり金属部間で火花放電が起こります。放電が繰り返し起こるとそこに電気の通りやすい焦げた道、つまり、炭化電路ができます。これをトラックといい、トラックができる現象をトラッキングといいます。
トラッキングを放置しているとやがて金属部間の絶縁がさらに悪くなり大きな火花が出て近くのカーテンなどに燃え移り、火災事故などに発展します。
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Q.006 配線器具等に表示されている「125V」はどの様にして決められたの? 「100V」でないのはなぜ?
A.006 100Vで使用しているにも係わらず、定格電圧が125Vである理由は明確には把握できていませんが、以下のような説が有力です。
大正時代より、定格電圧は125Vでした。当時からコンセントは米国の極配置を採用しており、米国は120V配電であるため、定格電圧は少し余裕を持たせ125Vでした。日本では、100V配電でしたが、米国のコンセントをそのまま輸入し、定格もそのまま125Vを採用したようです。
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Q.007 配線器具の劣化診断資料は、どのように入手すれば良いの?
A.007 残念ながら、当工業会には、配線器具の劣化診断資料の適切な資料がありません。
過去より、当工業会のパンフレット「スイッチやコンセントを正しくお使いください」を劣化診断の参考にして頂いております。
なお、当パンフレットは原則5部以上のご注文につき、1部30円で販売させていただいておりますので、当工業会のホームページの[刊行物・パンフレット]からご注文願います。
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Q.008 引掛けシーリングの耐荷重は何Kgまで?
A.008 この回答は、条件によって異なりますので、以下の表をご覧ください。
使用可能な天井用器具重量
照明器具のコード重 量
一般のビニルコード3kg以下
補強コード・コードなし器具5kg以下
ハンガー使用時10kg以下
注:取付器具重量5s以上の場合、ハンガー部で器具重量を保持することが必要となります。

さらに、「高荷重・耐熱形引掛シーリング」という器具もあります。
【直付け照明器具を使用する場合】
 ・5kg以下の照明器具に使用可能です。
 ・5kgを超える照明器具(10kgまで)は必ずハンガーで器具を保持してください。
 ・ツバ部で荷重を保持する場合は、10kg以下の直付け照明器具をご使用ください。
【吊下げ照明器具を使用する場合】
 ・3kg以下の(補強コード使用時:5kg以下)照明器具にご使用ください。
 ・3kgを超える照明器具(10kgまで)はチェーンなどを使って、ハンガーで器具を保持してください。
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Q.009 ローゼットという名前はどこから来ているの?
A.009 始めに、ローゼットとはどのような器具なのかを説明することに致します。
この器具の正式名称は、“シーリングローゼット”と云います。天井に灯具を吊すために用いる配線器具です。現在は、灯具との接続は、引掛形が主流となっており、大変便利になっていますが、かなり以前は、灯具から出したコードをシーリングローゼットへ直に接続していました。
昔の照明器具にも高級なものも多く存在しており、特にシャンデリアなどを付ける洋館風の建物や、高級料亭などには、それに相応しいデザインのシーリングローゼットが要求されていたようです。薔薇の形をしたものや、菊の形をした“洒落たもの”などがありました。そこで、“ローゼット”という名称に繋がる分けです。すなわち“ローゼット”は英語で“薔薇結び”とか“円花飾り”などの意味があります。当然語源は“ローズ”すなわち“薔薇”から来たものです。
現在はそのような洒落たデザインものを製作しているメーカーはないと思われますが、由緒ある古いホテルや旅館などには、現在もその当時のものが使用されているようです。
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Q.010 防水と防滴はどう違うの?
A.010 コンセントなどの配線器具において、水の浸入に対する保護性能の全くないものと、その性能があるものとに大別することができ、水の浸入に対して何らかの保護性能をもつものを総称して、“防水形”と呼んでいます。それに対し、非防水のものを“普通形”と呼んでいます。
従来から日本では、防水形の性能レベルをいくつかに分けていますが、その中の代表的なものが以下のものです。
 ・防滴U形 ……15度以内で傾斜しても鉛直に落下する水滴に対して保護する
 ・防雨形 ………鉛直方向に対して60度の位置からの散水に対しても保護する
また、IEC(国際電気標準会議)規格でも、“防水形”のレベルをクラス分けしており、それらとの相関関係は、防滴U 形=IPX2、防雨形=IPX3となっています。
性能レベルは、防滴U 形 < 防雨形 です。
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